保有効果

保有効果

保有効果とは、周りからしたら価値がないものでも、自分が持っていたら価値があると考えてしまう事
少し言い方を変えると、「一度手にしたものは失いたくない」という心理が働くとも読み取れる。

ちなみに一言で保有効果と言っても、実際は色んな心理が絡み合ってくる。
・プロスペクト理論
・現状維持バイアス

自分で持っていると価値があると考え、且つ得するよりも損したくないという考え方も併せ持ち(プロスペクト理論
変化することでデメリットが生まれるのではないかという意識が高いと(現状維持バイアス
断捨離」はなかなか実現できない。

これは、何事もシンプルな状態にする意識が弱かったり、コスパが悪いという判断を頭でできないと
実現などできやしない。
私の部屋は、自分のものは結構少ないと思うが、妻のものがかなり多い。
自分は出来てるとかそんな偉そうなことを言いたい訳ではなく、人の考えを変える方が難しいということ。
なかなか大変だ。

こういう心理的効果を理解したうえで、マーケティングや営業場面で活用できると良い。
例えば、キャンプギアを販売している会社があるとする。

ターゲットは4人家族で、キャンプに興味があるけど実践は出来ていない世帯。
・キャンプするのに最低限必要なものだけ揃えれば大丈夫!」とあまりあれこれアピールしない
・「テントは2ルームで設営は簡単にできる」具体的な動画で訴える、「1人で○分、2人だと○分で出来る」と定量的に説明をする
・椅子とテーブルは、複数の選択肢は持たせつつも、「こういう方にはこれが向いてます!」というメッセージをつくり、選択肢は3つくらいに絞る
・シュラフ+枕、ランタンも同様に、選択肢はなるべく少なく
・調理用具は美味しそうな写真を使い食欲をそそり、簡単にできるキャンプ飯レシピも3つくらい掲載する
・キャンプギアは、キャンプの時だけでなく、普段の生活でも汎用できる、一粒で二度おいしい状態
・キャンプ場を探すサイトや、探し方の説明を加える
・普通にホテルに宿泊するよりも安く泊まれ、且つキャンプ+アルファの付加価値も伝える(キャンプ場の周りには観光スポットが多い、子供の成長にも寄与するetc)

そうすることで、すでにギアを保有しキャンプをしているイメージが持てるし、子供のためにもこの機会を失うようなことはしたくないと思ったり
キャンプ始めることは意外とお金かからないし、コスパが高そうだから行った方がいいという気持ちにさせることができる、かも。

企業側は、
・保有しているような状態を作り出す
・保有することで価値を感じることができる
・損はしないと感じる状態を作り出す
・変化した方が都合が良いという状態を作り出す
という仕掛けを作ることはできるということ。