住友生命の新商品

住友生命の新商品

健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」。
加入時に保険料が15%割引の状態で加入が出来、
もし健康増進を怠ると割引が無くなるというシステム。

プロスペクト理論の考え方でいくと
「一度得たものを失いたくない」という心理を
上手く利用したシステムになっている。
健康状態を目指すには、まず第1ステップとして現状把握がある。
つまり健康診断を行い自分の身体を解剖する。
ただし、診断の結果数値が多少悪かったとしても
半分以上の人は本当に悪化するまで病院には行かないのが実態。

そこで、健康改善のために、運動・食生活・社会参加など
日々の取り組みをポイント化して継続してもらう仕組みを
プログラムに設定している。これが第2ステップの位置づけ。

そして、第3ステップとして健康増進プログラムを
楽しく継続できる仕組みをつくっている。
ここで思ったのが、継続することは難しいという大前提のもと
システムがつくられてるのだなと。
人間は本質的には不健康でありたいはず。
例えば、おなか一杯に食べたり、寝てダラダラ過ごしたいという
欲求を誰しもが持っていると思われる。
なので自ら不健康な状態に進んでおり、でもそれを良しとしてしまっている。
そこで、住友生命が取り組んでいる活動の例として「ポケモンGO」と提携して
ゲームをしながらVitalityで歩数をカウントし、目標をクリアすることで
「ポケモンGO」の中でアイテムを入手できるようにしている。

「ポケモンGO」の効果は分からないが、
実際にVitalityに加入したお客様の結果として
アンケートに答えてくれた方の半数は血圧が10ポイント以上下がったという結果や
家族との会話が増えたという結果も出ているらしい。
家族との会話が増えたというのは、きっと割引が無くなることを嫌がり
健康増進に勤しむ姿を見て応援してくれ始めたり
健康をテーマに会話をする機会が増えたといった事なのだろうか。

保険は、何も起こらないと喜ばれるのだが
何も起こらないと掛け損と感じられる商品。
そういう思考がある状態のお客様を開拓しないといけないのだから大変である。
Vitalityが目指しているのは、リスクに備えるのではなくリスクを減らすという考え方。
プロスペクト理論の話はおいといて、Vitalityの考え方は面白い。