スタバの課題

スタバの課題

コーヒーチェーンの中では、売上も店舗数もトップだが、
顧客ロイヤルティという点で見ると、コメダ珈琲やドトールよりも下という現実。
※2019年:顧客ロイヤルティスコア調査

NPSに影響を与えているのは下記2点。
・店内の雰囲気、居心地の良さ
・コストパフォーマンス(知覚価値:利用者が認識する(感じる)価値)

※NPS(ネット・プロモーター・スコア)
→顧客推奨度、正味推奨者比率
推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出

コストパフォーマンス
→知覚価値とも言われ、知覚価値とは「機能的価値」「情緒的価値」に分類される。

機能的価値:商品やサービス、物理的価値と言った方が分かり易そう
情緒的価値:感情的な価値、上記が物理的価値ならこちらは精神的価値かな

機能的価値は「同質化されやすい」
情緒的価値は「同質化されにくい」

CXの考え方と同じだ。

ちなみに、スタバの機能的価値は高い。
商品や接客サービスに対する満足度は高いという事。
ただし、情緒的価値は低い。

理由:
スタバは、自宅でも職場でもない「サードプレイス」というコンセプトで
上質なコーヒー、心温まる接客サービス、座り心地の良い椅子、高級感ある内装などを手掛け
「落ち着いた空間」を提供してきたが、拡大路線の代償で下記のような意見が出てきた。
・店内が騒がしい
・いつも人が混んでいる

心理的ストレスは、人によって感じ方が違うので難しい。
落ち着いた空間→落ち着かなくなった
という一部のコアなファンの理想と現実のギャップからくる心理的ストレスなのだろうと思う。
ビジネスとして考えると、ターゲットを絞ることで得られる利益もあるが
新たな顧客層を囲い込んでいくことでも利益は得られる。
顧客を絞り過ぎると市場が頭打ちする。
ビジネスチャンスがあれば掴みにいったほうがいい。
顧客が増え売上があがったほうが仕入れ部門の値引き交渉も可能になるし
認知形成にも繋がるし、顧客の声も獲得しやすくなる。
一方でNPSを高めるためには、批判的意見は無視できない。

この矛盾する課題に対して、どのようにバランスを取るか。
機能的価値は維持しつつ、情緒的価値をどう高めるか。

コストパフォーマンス(知覚価値):知覚便益を知覚コストで割る
※知覚コスト→商品の購入などの金銭的コスト、並んで待つなどの時間コスト、ストレスなどの心理的コスト