ZARAとファストリの在庫回転率比較

ZARAとファストリの在庫回転率比較

(世界)アパレル業界時価総額1位と2位の在庫回転率を比較。
ちなみに1位がZARAで2位がファストリなのだが、
時価総額だけでファストリが肉薄している状態。
コロナの影響で欧州での販売が低調なZARA、
比較的コロナの影響が軽いアジア圏での販売が好調なファストリ、
その差が近づいてきているじという状態。

で、在庫回転率の話だが、
ZARA:1.5回転(20年8~10月期)、ファストリ:2回転(20年9~11月期)。
在庫が売上に変わる時間がZARAの方が早いという事。
言い方を変えるとZARAの方が効率よく在庫を捌けているという事。
これは会社の方針にもよるが、ZARAはトルコで生産した商品を
スペインの物流拠点に集約し、各店舗の売れ行きを見ながら
必要な数を必要なタイミングで出荷するという仕組み。
在庫をあまり抱え込み過ぎないようにする考え方が根底にある。
ファストリの場合は、店舗で欠品が発生しないことを重要視する考え方が根底にある。
顧客の立場からすれば利便性が良いが在庫回転率という経営指標ではネガティブな影響にも繋がる。
ちなみに、2回転が良いと悪いとかの話ではなく、
あくまでもZARAとファストリを比較したときの話。

在庫回転率は「粗利率」に影響を与える。
在庫が増えると売り切らないといけないので「値引き」をしてでも
在庫を捌こうとする、つまり粗利率が下がる。
ZARAの場合は、事業規模が大きいので調達コストを抑えられ、
且つ在庫管理が徹底されているので値引きを行う機会が少なく
且つEC取引割合が元々ファストリよりも高い事などが影響し
ZARA:61%、ファストリ:52%という結果になっている。
※ファストリのEC取引比率も高まっている。
EC取引割合が高いことで粗利率が上がる理由として考えられるのは
受注生産を取ると在庫が増えない、値引きが不要、定価で売れる→これは想定。