国内林業の発展

国内林業の発展

アメリカの木材価格は1年で6倍になってるというニュースが。日本はどうなるのだろうか。。。まだ上がるのか。

ウッドショックの影響がどこまで続くのか見通し不透明だが、2019年の輸入材と国産材の割合を見ると、国内需給率は37.8%。つまり約6割は輸入に頼っている状態。2020年国内の木造住宅の工法については在来工法が約8割。在来工法で使用する木造の割合を見ると、柱は輸入材6割、国産材4割。梁は輸入材9割、国産材1割。

国産材(スギやヒノキ)だけで家を建てる住宅会社もいるが、梁は高い強度や多様な寸法が求められるため、ベイマツ製材やレッドウッド集成材などの輸入材を使う場合が多い。従い、柱は国産材に代替できても、梁は難しいという設計者が多いとのこと。
梁を国産材に変えようとすると強度の問題で寸法を大きくせざるを得なくなり住宅価格が上がる。

木造住宅の建設費用の内、木材価格は約1割と言われているが住宅会社の中には、木材の使用量を従来より減らした住宅設計に取り組み始めている会社もいるらしい。

ローコスト住宅は、ローコストでなくなると違う領域での戦いを強いられる可能性が高くなる。もしかしたらローコスト戦略を止める可能性も出てくる。そうすると、建物価格2000万前後のカテゴリーが団子状態になる。

輸入材からの脱却を目指すべきではないか?という誰でも思いつく発想はあるが果たして実現可能性はどうなのか?時間はどのくらいかかるのか?について。

日本は森林面積が国土の2/3を占めている(2020年実績)OECD(経済協力開発機構)加盟37か国の内3位の位置にいる。つまり森林資源は豊富にあるといっていい状態だが、そもそも輸入材に頼っていた状態なので、林業を発展させる土台がまだない。土台とは、増加させようと思ったときに必要な人材、資金が潤沢ではないということ。農業のあるべき姿について色々な記事が出回っているが林業についても本気で考えていかないといけない。

林業に携わっている方からすれば、急に盛り上がったのはいいが結局また輸入材に頼ることになったら、国産材の価格は下落するし需要が減ることによって余剰人員が出てくる。規模の縮小を余儀なくされたらやっていけないというリスクを感じるだろう。同じ轍を踏まないためにも、国産材の需給率目標を国が定めて欲しい。ウッドショックは、一過性のものなのか、長期的問題と見るかニューノーマルと見るか判断はつきにくいだろうが国の今ある環境を強みに活かせることは大きいし、且つESGの考え方からすると森林は二酸化炭素を吸収してくれるし、若い樹木の方がより多くの二酸化炭素を吸ってくれるのであれば林業を活性化することでグリーン成長戦略にも大きく寄与できるはず。2021年は、国産材に関わる事業者、生産、加工、販売、建設、リフォームすべてに関わる従事者が安心して国産材を活用できる環境形成の足掛かりとなる年になることを期待する。

「必要な時に、必要なものを、必要なだけ」という考え方を、輸入材から国産材へシフトへ