アマゾン:配送業者の変遷

アマゾン:配送業者の変遷

2000年に日本での事業を開始し、
アマゾンの影響で荷物の配送個数が
多くなったのは間違いないだろう。
国交省調べによる配送個数は
1997年→2017年:15.9億個→42.5億個
と無茶苦茶増えている。
アマゾンだけでなくEC取引が盛んになったから
増えたのは容易に想像がつくが、
アマゾンの配送業務を請け負えるだけで
ドル箱のような気もする。

日本通運→佐川→ヤマト
日本3大物流会社が順番にアマゾン商品の
配送業務を請け負った流れになるが、
今は「アマゾンフレックス」と呼ばれる
個人事業者や中小企業を中心にアマゾン商品の
配送が行われているのが実態。

では、大手の配送業者はなぜやめたのか?
簡単に言うと「豊作貧乏」状態で、
アマゾンが大きくなればなるほど単価を叩かれたという内容。
日本通運は300円/個から始まっている。
日本通運が請けたときはまだアマゾン商品の個数は
今ほど全然多くない時代で、300円でよく請けたなというレベル。
これは配送業務だけでなく物流センターの業務を
日本通運に一任したからと言われている。
その後、佐川に切り替わったときの単価は270円。
それでも佐川が請けたのはシェア拡大に拘ったから。
ただし採算が合わなくなり値上げ交渉をしようとしたら
逆に値下げ交渉をされ更にメール便でもハンコをもらう判取りを要求してきて
結果的に、ヤマトに切り替わっている。
ヤマトでは単価280円にて設定されたらしいが
(これはアマゾンも配送業者がいないとビジネスが成立しないから上げたのだと思われる)
17年にヤマトで残業代未払い問題が発覚し(約200億円の未払い)
その支払いの影響もあり単価が460円に上がっている。

その単価でアマゾンもずっとやっていく訳もなく
結果的に「アマゾンフレックス」が生まれている。
消費者の立場からすると、アマゾンのビジネスポリシーである
「カスタマーセントリック」(顧客中心主義:少しでも早く顧客に商品を届けようという考え方)
は非常に魅力的に見えるが、
実現するために裏でアマゾンの仕事を請け負っている配送業者は大変である。
「アマゾンフレッシュ」は配送時間を4時間から2時間に見直している。
そりゃあ生鮮食品がそんなに早く届くのは消費者からしたら魅力的だ。
少し複雑な気持ちではあるが、アマゾンが便利であるということは消費者目線からすると変わらない。