資本金を下げる理由

資本金を下げる理由

今年に入って、資本金を減資する企業が増えている。

例えば、JTBが業績悪化を受け資本金を23億→1億に減資している。
スカイマークも90億→1億に減資しているが、
業績悪化の原因はコロナ要因が大きい。

減資するという事だけ聞くとネガティブな印象を受ける。
確かに減資する理由が業績悪化を受けてのものであれば
株主に対する印象も良くないし金融機関に対しても良くはない。

一方で、株主への配当を行う場合に資本金を取り崩すという考え方は
結果的に減資にはなるがポジティブな考え方でもある。
(これは有償減資、まあいいや)

今回のJTBのケースは、節税による手元資金の確保のため。
資本金が1億円以下になると中小企業にカテゴリーが移る。
※業態によってルールは違うが中小企業になると法人税・地方税が安くなる。

また繰越欠損金を所得と相殺できる額が満額になる。大企業は50%。
JTBはまだ利益剰余金がある状態だが、
今後の旅行業界を見据えて考えると利益剰余金がなくなる可能性がある。

現金の問題であれば金融機関に増額融資を打診すればいいが
審査があるし時間もかかるので手っ取り早く手元資金確保するために
今回の減資に踏み切ったという流れ。
店舗閉鎖やリストラ策により経費削減には動いているが
海外旅行については来年にならないと無理なのでは?
という意見も出ている中で、規模を縮小してでも立て直すために動いたという感じ。