資生堂:事業売却

資生堂:事業売却

不採算事業の売却。

「TSUBAKI」などのシャンプーや「ウーノ」といった
男性向けの商品などスーパーやドラッグストアなどの量販店向けとして扱っている
日用品販売事業部である「パーソナルケア事業」を投資ファンドに売却する。

投資ファンドがつくる新会社に本事業を売却する流れになっており
新会社の株を35%は保有する状態ではある。
売上自体は1000億ほどを上げていた事業部だが
訪日外国人の需要が落ち込んだことや競争相手のグローバル企業との競争が
熾烈になってきていることが要因。
グローバル企業は高価格帯の商品に注力している中で
資生堂は低価格帯の商品が多い状態でライバル社の売上高販管費率は5~6割であるのに対し
資生堂は7割という状態で営業利益率が圧迫されていた。

「TSUBAKI」はその当時旬の女優をCMに抜擢し一気に知名度を高めていったが
直近ではマーケティングの仕方や生産の仕方も変わってきている。
※歴代のCM出演女優:鈴木京香、田中麗奈、仲間由紀恵、竹内結子、広末涼子、観月ありさetc.
インフルエンサーを知名度拡大に起用したりOEM生産を取り入れながら
安価な商品を提供する企業も出てきて海外問わず国内でも日用品の競争は熾烈。

資生堂は化粧品など店頭でスタッフが丁寧に対応することを心掛けているが
一方で人件費率が高い状態になっている。
資生堂からすると、商品開発に携わったスタッフなどの気持ちも
汲んであげたいという考え方もあったかもしれないが、これはビジネス。
過去の栄光に浸っていては改善はしない。

ちなみに2018年にはホテル向けのアメニティ事業から撤退し
2019年には米国の高価格帯スキンケア事業を扱っている企業を買収している。
経営資源をどこに集中させるか、常に考え続けなければいけない話。